風林火山
武田信玄
この言葉は武田軍の軍旗の通称で、次の通り書かれていました。
「其疾如風其徐如林侵掠如火不動如山」
其(そ)の疾(はや)きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し
この言葉は信玄の創作ではなく兵法書『孫子』の軍争編に記される言葉で、信玄は『孫子』を座右の銘にしていたと考えられます。ところでこの孫子の言葉は次の通り続きます。
「難知如陰動如雷震」
知り難(がた)きこと陰の如く、動くこと雷震(らいしん)の如し
語呂がよかったのか信玄は「風林火山」の四句で終わらせていますが、信玄が旗に残りの二句も入れていたならばこの軍旗は「風林火山陰雷」と呼ばれていたのかもしれません。やはり語呂は良くないようですが・・・。