老子は春秋時代の人で、儒教の孔子と同世代の人物になります。老子に教えを請い面会した孔子は「それなお龍の如きか」と呟いたという逸話もあるようです。そして荘子は戦国時代の人で、司馬遷の史記によると紀元前四世紀頃の人になります。その言葉は大言荘言で王侯に仕えることはなかった伝わっています。二人とも詳しいところは伝わっておらず伝説の人物という説もあるようです。
老荘思想を理解するのは非常に難しいのですが、老荘の基本理念『道』は自然界に確かに存在するが把握できないほど大く実態が確認できないもので、無理矢理に言葉にすれば「自然の道理」といったものなのかもしれません。
此れ坐忘と謂う 投稿日2024年9月8日
肢體(したい)を墮(おと)し、聰明を黜(しりぞ)け、形を離れ知を去りて、大通に同ず、此(こ)れ坐忘と謂(い)う。 身体を離れ、聡明さを棄て、形に囚われる事なく、知識を忘れれば、道に通じる [...]
信言は美ならず、美言は信ならず 投稿日2024年8月16日
信言は美ならず、美言は信ならず。 老子 自身のためになる忠告は心に苦く感じるものであり、逆に自身にとって快い言葉は信用できるものではない。 伝統の文化や技術、芸能に身を置く者でもなく、 [...]
足るは足るを知るなり 投稿日2024年3月23日
老子は満足を知る事の重要性を次の通り語っています。 天下に道あれば走馬を却(しりぞ)け以って糞(つちか)う。天下に道なければ戎馬(じゅうば)、郊に生ず。 天下に『道』があれば馬は田畑を耕 [...]
大器晩成 投稿日2024年3月17日
大方は角なし。大器は晩成す。大音は希音なり。大象は無形なり。 広大な四角の角は見えない。大きな器は完成するのに時間がかかる。大きな音は微かな音にしか聞こえない。巨大な物体は全体の形を把握する事ができな [...]
和光同塵 投稿日2024年3月16日
その鋭きを挫(くじ)き、その紛を解き、その光を和げ、その塵を同じうす。 鋭く尖ったものを挫き、争い事を収め、強い陽射しを和らげ、その上で塵の様に存在がどこにあるのかわからない。 老子 『 [...]
上善は水の如し 投稿日2024年3月10日
上善は水の如し、水は善く万物を利して争わず、衆人の悪(にく)む所に居る。故に道に幾(ちか)し。 最善の生き方は水のようである。水は万物に利を与え争うことがない。そして人々の好まない低い所へ流れる。故に [...]
愚直でなければ・・・ 投稿日2021年7月20日
事を遂げるものは、愚直でなければ。あー才ばかりに走つてはイカヌ。 勝海舟/海舟語録 中国の古い書物『列子』には「愚公山を移す」という話が載っています。 愚公老人の住む地域の人々は、北へ行 [...]
禍と福について 投稿日2018年5月16日
「命の長短は身の強弱によらず、慎と慎しまざるによれり。白楽天が語に、福と禍とは、慎と慎しまざるにあり、といえるが如し。」と養生訓で益軒は語っています。 (寿命は身体の強弱ではなく慎むか慎まないかで決ま [...]