人は木石にあらず皆情あり

表題の言葉は単独で語られる事が多いようですが、実は「美女に惑う事を戒める詩」の様で後が続きます。
 
人は木石にあらず皆情あり。傾城(けいせい)の美女には遇わざるに如かず
 
これは白楽天が漢の武帝の寵姫の事を謳った詩『李夫人』の末尾になります。
李夫人自身は城を傾ける様な事はしていませんが城を傾けると例えられる程の美女であったようです。ただ李夫人は若くして病でこの世を去り、そのため武帝は悲しみに沈みます。そして絵師に肖像画を描かせたり、方士の術を使い姿を蘇えらそうともしますが、何をしても心は空しく、いよいよ武帝の悲しみは深くなるばかり、他にも周の穆王も唐の玄宗皇帝も同様に寵姫の死で悲しみに深く沈んでいます。
白楽天はこの様に悲しみに暮れるような日々を過ごすくらいならば、いっそ傾城の美女などには会わない方が良いのだと詠っているのです。