『兵法三十五箇条』の「萬理一空」が理解できなくて「空」の意味を『五輪書-空の巻-』に求めて見ました。
空といふ心は物事に形なき所。しれざる事を空と見たつる事也
「空」とは、形のない物や知られていない事を例える言葉である。
勿論(もちろん)空は空にしてなき也
もちろん「空」とは空(何もないという意)という意味ではない。
有る所を知りて無き所を知る是(これ)即ち空也
目に見える所を知った上で、目に見えない所を知る。これが即ち「空」である。
物を良く理解できていない事を「空」とする向きもあるがこれは真実の「空」ではない。これは迷う状態である。武士の道においても士の法を理解できなければ「空」には届かない。色々迷いがある所を「空」というが、これは真実の「空」とは言えないのである。武士は兵法の道を確かに覚え、その他に武芸をよく行い、武士の道をよくわきまえ、心に迷うところがなく、日々おこたらず、心意二つの心を磨き、観見二つの眼を砥ぎ、少しのくもりもなく、迷いの雲が晴れ渡る事。 是れ実の空と知るべき也。
誤解を恐れず「空」を一言で説明するならば、「目に見えないところ(を悟って知る)」といった事なのかもしれません。この言葉は五輪書「地の巻」にも記されています。
心意二つの心・・・精神(忍耐力や動じない心)と意識(物の考え方や物の見方)
観見二つの眼・・・心で観る力と眼で観察する力