ものごとを正しく把握しようとする熱意

アウレーリウスは義父で第15代ローマ皇帝のアントーニヌス・ピウスに畏敬の念を持っていたようで、その理由を『自省録』に書き出しています。その内容をいくつか抜粋してみました。
 

・ものごとを正しく把握しようとする熱意
・自分を不当に非難する者にたいして自分の方から非難して返さずこれを忍耐したこと
・なにごとにもあわてなかったこと
・讒謗に耳を傾けなかったこと
・やかましやでもなく、卑怯者でもなく、猜疑家でもなく、詭弁家でもなかったこと
・また神を畏れつつも迷信に陥ることがなかった

『自省録(第6巻)』神谷美恵子氏訳/岩波文庫より

 

そして最後に “君も彼にならっていつ最期の時がやってきても良心が安らかであるようにしておけ” と締めています。
 


アントーニヌス・ピウスについては第1巻にも次の通り記載されています。
・温和であること
・熟慮の結果いったん決断したことはゆるぎなく守り通すこと
・労働を愛する心と根気強さ
・公益のために忠言を呈する人びとに耳をかすこと
・いつ緊張し、いつ緊張を弛めるべきかを経験によって知ること