通俗偏・用いては疑うなかれ

疑わば用うるなかれ、用いては疑うなかれ
(疑うのであればその人を登用してはいけない。登用したのであれば信じてまかせる事だ。)
これは清の時代に書かれた『通俗偏』にある言葉です。
 
『海舟座談』には勝の思い出として次のような話が載せられています。
佐賀の乱で大久保利通が鎮圧に向かう際、勝に「誰か使えるものはおりませんか?」と人材を求めます。勝は二卿事件に絡んで刑務所に入っていた肥後の古荘嘉門を推薦します。

『ソコデ、大久保は、直に(古荘を牢から)出して、大蔵の二等官に用いた。サスガ大久保だから、少しも指図しない。お前に任すと言うて、放任したから、古庄は一生懸命で働いて、とうとう片付けたよ』