我、人に於いて功あれば念(おも)うべからず。しかして過ちは則ち念わざるべからず。人、我に恩あれば忘るべからず。しかして怨みは則ち忘るざるべからず。
人にためにしたことは忘れてしまうべきだが、人に迷惑をかけたことは忘れるようなことがあってはならない。
人から蒙(こうむ)った恩は忘れてはいけないが、人に抱いた怨みを忘れないようなことがあってはならない。
洪自誠/菜根譚
恩の押し売りをする人はテレビドラマ以外ではお目にかかったことはありませんが、ついつい表情や仕草に現れるのは誰もが心に覚えがある事かもしれません。それは本人にとってたわいない事ことでも、相手にとっては大きな負担になり得ます。そういう状況を引き起こさないためにも忘れてしまうのは一つの方法に違いありません。また、人からの恩は忘れず、怨みは忘れてしまえば、長い目でみてより良い人間関係が築けるのかもしれません。