当に人情を斟酌し

政(まつりごと)を為す者は但(ただ)当(まさ)に人情を斟酌(しんしゃく)し之の操縦を為す。之を禁不禁の間に置き、其れを過甚(かじん)に至らざらしむ。是(これ)も亦(また)時の政然(しかり)りと為す。

佐藤一斎/言志録

 

為政者は民衆の感情をよくくみ取り、小さな制限に気を煩わさず、偏らない様に大局的な見方で政治を行わなければならないと言った意味のようです。
ちなみに『氷川清話』の中で勝海舟も「執一の定見をもって天下を律せんとするのは、決して王道ではない。」と言っています。


斟酌・・・人の気持ちをくみ取る事
過甚・・・偏り