勝先生は殺生を好まず

害をしない鳥が自分の山で面白く遊んでいるのをむやみにぶち殺して、何がおもしろいのだエ、こっちは長崎で銃猟に誘われて出たが、いつでもねらいをはずして、一羽もころしたことはなかったヨ。
 
また、下僕が中庭の雑草を掃除しようとすると
 
うっちゃっておけ、虫の隠れ家がなくなるから。
 
旧幕臣の滝村鶴雄はこの様に海舟の言葉を回顧し、殺生を好まなかった事を書き残しています。
 
岩波文庫『新訂海舟座談』の付録より