足るは足るを知るなり

老子は満足を知る事の重要性を次の通り語っています。
 
天下に道あれば走馬を却(しりぞ)け以って糞(つちか)う。天下に道なければ戎馬(じゅうば)、郊に生ず。
天下に『道』があれば馬は田畑を耕す。しかし天下に『道』がなければ街中に軍馬が満ちる。
 
罪は欲すべきよりも大はなく、禍は足るを知らざるよりも大なるはなく、咎(とが)は欲得より大なるはなし。
罪を犯すのは欲心が最大の要因であり、禍が降りかかるのは満足を知らない事が最大の要因であり、咎を受けるのは利を貪るのが最大の要因である。
 
そして最後に次のとおり述べています。
故に足るは足るを知るなり、常に足る。
故に足るとは満足を知ることである。それでいつも満足でいられるのだ。