その身を世間の風浪に投ず

天下は、大活物だ。区々たる没学問や、小智識では、とても治めて行くことは出来ない。世間の風霜に打たれ、人生の酸味を嘗め、世態の妙を穿ち、人情の微を究めて、しかる後、共に経世の要務を断ずることが出来るのだ。
 
これは「氷川清話」に書かれる勝海舟の言葉になります。簡単に言えば「学問だけではなく辛くて苦い経験を積むことで、大きな事に対応できるようになるのだ。」といった事になります。これは幕末動乱期を生き抜いた苦難の経験から出た言葉だと思われます。そして海舟はこの項の最後に、将来を期す若者へ次の言葉を送っています。
 
奮つてその身を世間の風浪に投じて、浮ぶか沈むか、生きるか死ぬるかのところまで泳いで見ることだ。この試験に落第するやうなものは、到底仕方がないサ。
 
 


蛇足になりますが、自身の人生は落第の連続で、いまだに小さい合格をもらったのは2回ほどです。「偉そうな言葉を引っ張り出して、お宅はどうなのよ?」とツッ込まれる前に告白しておきます。