奔馳角逐の心を消すべし

自ら老て少を視れば、以て奔馳(ほんち)角逐(かくちく)の心を消(しょう)すべし。自ら瘁(すい)より栄を視れば、以て紛華(ふんか)靡麗(びれい)の念を絶つべし。

老いた立場で若い時を見る事で、むやみに競争し合う心を消し去ることができるのであり、廃れた立場で順調満帆な時を見ることで、飾り立てる事や華美な振る舞いを絶つことができるのである。

洪自誠/菜根譚

 
歳と経験を積まないと分からない大切なことは結構あるもんですが、残念ながら気付いた頃にはもう足腰が言うことを聞かないって事はありそうな話です。


瘁・・・疲れ衰え。上手くいかない時
奔馳・・・無駄に走り回る事
角逐・・・競い争い合う事
紛華・・・飾り立ててよく見せる事
靡麗・・・派手で煌びやかな様