寝転んで待つのが第一サ。

最近、勝海舟の談話集「氷川清話」(講談社学術文庫)を読んでいるのですが、その中で海舟は悪い立場に陥った際の対処方法を次のとおり語っています。
 

「上がった相場も下がるときがあるし、下がった相場もいつかは上がるときがあるものサ。
それだから、自分の相場が下落したと見たら、じっと屈んで居れば、しばらくすると、また上ってくるものだ。
大奸物大逆人の勝麟太郎も今では伯爵勝安芳様だからノー。しかし、今は威張って居ても、また、しばらくすると耄碌してしまって、唾の一つもはきかけてくれる人もないようになるだろうヨ。
世間の相場はまあこんなものサ。」

 

勝海舟という人はイメージ通り、なかなか歯切れの良い人だったようです。
そして続けて次のとおり述べています。

 
「そう急いでも仕方がないから、寝転んで待つのが第一サ。」