シーボルトが益軒の事を「日本のアリストテレス」と評したのは、その著作群に対する敬意の現われに違いないのですが、 当時、日本の動植物の資料を収集していたシーボルトにとってこの「大和本草」や「花譜」「菜譜」、 「筑前國続風土記 巻之二十九 巻之三十」などは、仕事を捗らすためにもってこいの著作物だったに違いなく、 このような事情が益軒の絶賛につながったのかもしれません。 ただ、先進国から学識を広めるためにやってきたシーボルトは、自分がなさなければならない任務の一部を 100年以上前に日本の学者がもう既にやってしまっていたことに驚きを隠せなかったという面もあったのでしょう。 「日本のアリストテレス」という評価は偽りのない言葉なのかもしれません。
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