相去ること霄壤なり

己を返みる者は、事に触れみな薬石と成る。人を尤(とが)むる者、念を動かせばすなわちこれ戈矛(かぼう)。一は以って衆善の道を闢(ひら)き、一は以って諸悪の源を濬(さら)う。相去ること霄壤(しょうじょう)なり
己を顧みて反省する者は、事に触れたことがすべて身の糧となり、人の所為(せい)にする者は、その思いが自分自身の立場を危ういものとする。一つは善の道を開き、もう一つは悪の源を身にかかえる。時が経てば、その違いは天と地のようなものである。

洪自誠/菜根譚

 
事が起こる度に、弁解したり人の所為にしたりすると、なかなか立ち直るのに時間が掛かるものです。自分の間違いを認めてその経験を次に生かすことは長い人生で大切なことに違いありません。ただ、人の分まで全てを抱え込んで潰れてしまうのも考え物です。この辺のバランスが非常に難しいのかもしれません。