あなどるべからず。迷うべからず。

養生訓巻第五には次のとおり書かかれてます。
「日月、星辰、北極、神廟に向って、大小便すべからず。又、日月のてらす地に小便すべからず。凡(おおよそ)天神、地祇(土地の神)、人鬼おそるべし。あなどるべからず。」
(神社仏閣の他、神聖な土地で用をたしてはいけない。迷信だと決めつけ、あなどるような行為をしてはいけない)と益軒は戒めているのです。

また巻第六には別に次のような事も書いています。
「神怪、奇異なる事、たとひ目前に見るとも、必(かならず)鬼神の所為とは云いがたし。人に心病あり。眼病あり。此病あれば、実になき者、目に見ゆる事多し。信じてまようべからず。」
(ありえない様な事を目の前で見たとしても、その全てが本物とは言えない。気の惑いや目の錯覚で見えない物が見えてしまう事は少なくない事である。簡単に信じて迷ってはいけない。)