是れ多少実際の学問なり

山に登り、川海を渉り、数十百里を走り、時有って露宿して寝ず、時有って饑えれども食わず、寒けれども衣ず、此(こ)は是(こ)れ多少実際の学問なり。
 
佐藤一斎は『言志録』で実践の重要性をこの様に説き、続けてつぎの通り書いています。
 
明窓浄机(明るい窓ときれいな机で)、香を焚き書を読むが若き、恐らくは力を得るの処少なからむ。
 
勝海舟も『氷川清話』で「奮つてその身を世間の風浪に投じて、浮ぶか沈むか、生きるか死ぬるかのところまで泳いで見ることだ。」と語っています。