情実を討ね出すを要すべし

一部の歴史は、皆形迹(けいせき)を伝うれども、而(しか)も情実は或は伝わらず。史を読む者は、須(すべか)らく形迹に就きて以て情実を討ね出すを要すべし。
一部の歴史は、みな表面の事が伝わるが、ただ実情は伝わらない。歴史を読む者は、当然の事として、歴史を読んだ上で、その実情を探る努力が必要である。

佐藤一斎/言志録

 
勝海舟も氷川清話の「歴史はむつかしい」で次の様な事を語っています。
「歴史ほど難しいものはない。人間は未来を見通すことができないから、過去の歴史を鑑みて将来を推測するのだが、肝心の歴史が容易に信用できないのは実に困ったものである。」
これは歴史に関する事だけではなく、評判や噂話にも同様な事が言えるのかもしれません。