禍と福について

「命の長短は身の強弱によらず、慎と慎しまざるによれり。白楽天が語に、福と禍とは、慎と慎しまざるにあり、といえるが如し。」と養生訓で益軒は語っています。
(寿命は身体の強弱ではなく慎むか慎まないかで決まる。白楽天が「幸福と不幸は慎むか慎まないかの違いである」と言うのと同じである。)
私も結構、慎みのない人生を送って来た事に今更ながらに反省せざるを得ません。
「存亡禍福、皆己而已(存亡禍福、皆己にあるのみ)」 ‥‥‥ 「孔子家語」
「禍福無門、唯人所召(禍福に門無し、ただ人の招く所なり)」 ‥‥‥ 「春秋左氏伝」

その他に意味は異なりますが、禍と福に関する古語を調べて見ました。
「禍兮福之所倚、福兮禍之所伏(禍いは福の倚る所、福は禍いの伏す所)」 ‥‥‥ 「老子」
「因禍為福、成敗之転、譬若糾纆(禍に因りて福と為す、成敗の転ずるところ、たとえば糾う縄のごとし)」 ‥‥‥ 「史記」
「転禍為福、因敗為功(禍転じて福と為す、敗に因て功と為す)」 ‥‥‥ 「戦国策」と「史記」
戒めの言葉だけではなく、救いの意味のある言葉があると心がほっとします。