菜根譚・欹器は満を以って覆る

『欹器(いき)』とは水を入れる器の事で、水が満杯になると自然と覆って水を吐き出し、また水が溜まりだすと垂直に立ち安定し、水が満杯になると覆って水を吐き出すと言った動きを繰り返す装置のようです。菜根譚には「欹器は満を以って覆る」と記され、「満ち足りた状態は安定した状態ではなく、人として完全なものを求めるのはよろしくない」と言っているもの思われます。
『欹器』がなんの目的で使用されていたのかよく解りませんが、一説によると「満ち足りた状態は安定した状態ではない」という言葉を座右と為すために身近に置かれた道具と言う説もあるようです。