人参が嫌いな子は読むべからず

益軒は養生訓・巻第三の末にこう書いています。

「心口にかなわざる物、食うべからず」

講談社学術文庫「養生訓」の訳者・伊藤友信氏は「心口にかなわざる物」を「口に合わず気に入らないもの」と訳しています。早く言えば益軒は「嫌いなものは食べてはいけない」と言っている訳です。これはおそらく蕎麦や小麦・卵などのアレルギーに関連する事か、もしくは気が塞がる行為の不実行の勧めだと思われるのですが、お父さんお母さんから「人参、残さないでちゃんと食べなさい!」と小言を言われている子ども達には耳寄りな情報かもしれません。